どうも、ブルーチーズドリーマーの伊勢昇平です。
昨年、フェイスブックに投稿した一つの記事が奇跡を産みました。
長いフライトで足が疲れて(当然エコノミーですので)定期的にフラフラ歩いていました。
喉が渇いたのでドリンクがあるところに行って飲み物を飲んでいると仕事がひと段落した乗務員の方々がやってきました。
「ご旅行ですか?」
「いえ、チーズの勉強に。美味しいブルーチーズを作りたくて。」
そんなところから会話が始まり気付いたら自分の夢を長い間喋ってしまっていました。
仕事中なのに失礼だったなと思いました。
そして飛行機がフランスに到着してドアが空き、降りようとした時にこの写真の飛行機をその時の乗務員さんの1人が手渡してくれました。
「頑張ってくださいね!」
それ泣くやつです。シャルルドゴールで飛行機のおもちゃ持って半ベソで歩いてたのは僕です。
それからもう2年以上経ちましたが未だにこの時の嬉しさは忘れることができません。
2015年 5月12日
NH205便 成田発ーシャルルドゴール行き
もしこの飛行機の乗務員をしていた方がいましたらぜひご連絡ください。
あの時言った「世界一」はまだまだですが。。ぜひチーズを食べて欲しいです。これから、たくさんの方に幸せと笑顔をもたらせるように頑張ります。
たちまちこの記事はシェアされ、拡散していきました。
投稿した次の日、突然ANAのパイロットの方からフェイスブックで連絡がきました。
「投稿読みました、このCA探しますね!」。
何といい人たちばかりな世の中でありましょう。
すぐにANA中でこの飛行機のおもちゃをプレゼントしたCAの大捜索が始まりました。
そして2週間ほど経った頃、ANAから突然のメールが。
「今回の件で貴社のチーズを知りました。ぜひ打ち合わせがしたい」
何ということでしょう。
東京羽田のANAの会議室に招かれました。
会議室には関係者の皆様がずらりと並び、早速打ち合わせが始まりました。
ひとしきり話が済んだところで1人が、
「ではそろそろ」
と言いました。
すると突然華やかな音楽が部屋中になり始めました。
これは何事かと思い混乱していると部屋の隅の扉から突然数人が飛び出してきました。
そう、
2年前に僕に飛行機のおもちゃに寄せ書きをしてくれたCAのお2人とそれを撮影するスタッフの皆様。
僕のチーズの写真がついた手作りのポップを持っていました。
僕のためにネットでチーズや牧場の写真を探して作ってくれたそうです。
かろうじてこらえましたが、完全に泣かせにきてます。
これがANAのやり方か!!
あの時の忘れもしない優しそうなCAのお二人と熱い握手を交わし、みんなでチーズを囲んで思い出話に花を咲かせました。
2年前、あの時は気持ちに余裕がなくてカラ元気でしゃべってました、とか。
CAの人に話しかけるのって緊張しますよね、とか。
本当に素晴らしい時間でした。
そこで飛行機の機内食を担当する料理長がこう言いました。
「このチーズは本当に美味しい。今まで国産のチーズで美味しいと思ったことはなかった。
もしよければANA国際線ファーストクラス機内食に採用させてもらえないか」
何ということでしょう。
今までANAの機内食は全てヨーロッパ産のチーズのみで国産のチーズが使用されたことはありませんでした。
こんなことがきっかけでチーズを使ってもらえるなんて。
この一件をきっかけに、2017年12月から2月と2018年3月から5月までの合計6ヶ月間、江丹別の青いチーズは世界中を飛び回り、VIPの皆様のお口に運ばれていきました。
その時食べた方からメッセージが届き、たくさんの交流も生まれたりもしました。
食べた方からいただいた写真です
ANAに乗って、よかった!
10秒で心をつかめるか
今回の件は僕も非常に幸運が重なった結果であるとは思っています。
しかし飛行機の中、忙しく仕事をするCAとの一瞬の会話で少しでも応援したいと思っていただくことができたのは、その時の僕が真剣だったからではないかと思います。
正直、どんな内容を話したかは覚えていません。とにかく一生懸命自分がやりたいことを話したな、という記憶だけです。
人の人生は時に一瞬の行動で大きく変わることがあります。
特に人と対峙した時、次も会ってみたいとか、応援したいとか思ってもらえるかどうかで全く逆の結果が生まれたりします。
その瞬間がいつ訪れるかはわかりません。
しかし、それがいつ訪れてもいいように常に自分の夢を全力で追いかけ、その夢を人に伝えられるようにする努力をしてくことが大事なんだと教えられた出来事でした。
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